プレスリリース

XNef
ATR
XNef

2022年3月10日

株式会社XNef
株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (ATR)
塩野義製薬株式会社

精神疾患領域における診断および治療法の開発に関する多施設共同研究の開始

 株式会社XNef(本社:京都府相楽郡(けいはんな学研都市)、代表取締役社長:川人 光男)、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(本社:京都府相楽郡(けいはんな学研都市)、代表取締役社長:浅見 徹)、塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、2021年4月から2024年3月までの3年間の予定で進めている「① 精神疾患の診断・層別化のためのバイオマーカー(*1)開発」および「② 精神疾患等の携帯型ニューロフィードバック法(*2)および治療法開発」において、この度、実用化を視野に入れ、前向き臨床研究を含む多施設共同研究に着手することとなりましたのでお知らせします。

背景

 精神疾患は、患者やご家族のQOL(Quality of Life)に大きな影響を及ぼします。しかし、本疾患領域における既存薬の初回治療時の寛解率は一般的に低いことが知られており、特にうつ病においては約30%に留まっています。その理由の一つとして、うつ病には、多様な症状があり、複数の治療薬によっても寛解しない治療抵抗性例の存在など、異なるグループがあるにも関わらず、それを区別する客観的な指標が存在しません。
 本共同研究では、①うつ病を含む気分障害の患者を脳機能メカニズムに基づいて客観的にグループ分けする層別化バイオマーカーを開発します。バイオマーカーに基づいて患者の特性に応じた適切な治療法を選択できるようになることを目指します。また、②うつ病と統合失調症について、脳機能の異常な結合を脳波ニューロフィードバック法で健常化する革新的治療法の実用化を目指します。

具体的な内容

① 精神疾患の診断・層別化のためのバイオマーカー開発
うつ病の診断・患者層別化のためのバイオマーカー開発をおこなうことにより、当該疾患に対して、より的確な診断および効果的な治療を可能にすることを目指します。これまでの探索的共同研究の成果として、独立したデータセット間で層別化精度70%を超える層別化バイオマーカーを創出しました。このバイオマーカーについて、前向き臨床研究を含む多施設共同研究による検証、実臨床データ(*3)による汎用性を検証します。

② 精神疾患等の携帯型ニューロフィードバック法および治療法開発
うつ病および統合失調症に対する携帯型ニューロフィードバック治療法の開発を目指します。これまでの予備的実験を経て得られた可搬型fMRI-based EEG ニューロフィードバックシステムの有用性を示す結果に基づき、可搬型脳活動計測機器ニューロフィードバックの治療効果の実証、携帯型ニューロフィードバックの構築と改良のための技術開発を推進します。

精神疾患でお困りの患者さまに一日でも早くソリューションをお届けできるよう、引き続き努めてまいります。

補足説明

精神疾患の診断・層別化のためのバイオマーカー(*1)
被験者の脳活動を非侵襲的に画像データとして計測した結果に基づき人工知能技術により算出される、被験者の少なくとも一部が罹患している精神疾患の診断、治療法選択および患者層別化のための指標。

携帯型ニューロフィードバック法(*2)
可搬型または携帯型の脳活動計測機器によるニューロフィードバック技術で、脳の状態をモニタリングしながら、特定の脳の状態を誘導する方法。「可搬型」「携帯型」とは、脳活動計測機器の種別をいい、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置以外の脳活動計測装置であって、脳波計、NIRS(Near, Infra-Red Spectroscopic)脳計測装置その他の可搬的な装置の種別をいう。

実臨床データ(*3)
対象患者や治療歴、服薬する抗うつ薬などが統制されずに取得されたデータ。

お問い合わせ先

株式会社XNef 広報担当
〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台2-2-2
Tel: 0774-95-1234, E-mail: press@xnef.jp
https://www.xnef.jp/

株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)経営統括部 企画・広報チーム
〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台2-2-2
Tel: 0774-95-1176, Fax: 0774-95-1178, E-mail: pr@atr.jp
https://www.atr.jp/

塩野義製薬株式会社 広報部
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
Tel: 06-6209-7885
https://www.shionogi.com/jp/ja/